2014年5月17日土曜日

ゲームセンター

小学生の頃、たまにゲームセンターに行っていた。
雰囲気は薄暗く10円で好きな音楽をかけられるジュークボックスがあるお店だった。


今考えるとジュークボックスがあるゲームセンターっておしゃれだなぁ。


ある日 久しぶりにゲームセンターに行ってみると見たことが無い大型のテーブルが有った
なんだろう?そう思いながらその大型のテーブルに近寄ってみる僕。


何やら小さい円盤みたいなのが脇に置いてある
好奇心旺盛な僕は恐る恐る50円と書かれた縦長の溝に50円硬貨を入れてみることにした


うぉーん と何やら掃除機の電源を入れた時のそれと同じような音がした
テーブルの盤面に顔を近づけてみると、テーブルの隙間から風が出ているではないか


僕は思った、テーブルの脇に置いてある円盤みたいな物をこのテーブルの上に置くと
何やら楽しい事が起きるんではないかと。


すかさず右手で円盤を取り、恐る恐るテーブルの上に置いてみた
すると只の円盤が少しづつではあるが動いているではないか


僕は三つ備え付けられていた円盤をすべてテーブルの上に置いてみた
その様は各々が息吹を与えられ、まるで生き物の動きをしているようだった


暫くするとディグダグやドンキーコングjrや1942をプレイしている人たちがこちらを見始めた
見られているだけなら良いのだけど、みんな少し笑ってる
中には友達同士で顔を見合い首をかしげている人まで出てきた。


僕は早くこの場から立ち去りたかった
何故ならテーブルの上で円盤が少しづつ動いているのを見ているゲームなんて楽しくないし
みんなこちらを見ているので恥ずかしさもあった


時間としては3分だろうか、5分だろうか
その時の僕には1時間にも2時間にも感じられた。


テーブルの上から出ていたさっきまでの風は止まり、音もなくなり
僕は家に帰るためにそのゲームセンターを出た。


それから数年、ある日テレビを見ているとホンジャマカさんのお二人が何やら奇抜な衣装でテレビに出演していた
僕の目を引いたのはホンジャマカさんの奇抜な衣装ではなく
ホンジャマカさんがプレイしているゲームだった


そのゲームはテーブルの盤面から風が吹き出す仕組みになっていて
その上に円盤を置き、両サイドに一人づつ配置され、わかりやすく言うと
卓球やテニス、ホッケーのようなルールの元で遊ぶ機械だった。




僕は思った、
あと数年早くこのテレビを見ていたらあの時の50円は無駄にはならなかったのになと。

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